先日、隣り駅のロータリーを囲む並木のもと、歩道側の生垣に、枯葉の吹き溜まりができていた。それを見つけた幼児が、母親に見守られながら、枯葉を両手に集め持っては空に解き放す。風に舞い落下する様子がうれしくて、何度も繰り返していた。何気ない一瞬かもしれないが、おじさんには、母子の実に美しい光景に見えてしょうがない。
以前、このブログに、<「枯葉」の聴き比べ > を記して、実際の枯葉の様子を公園で確かめたい旨のべた。今日、ようやく近所の公園に出かけることができた。
ケヤキは、今まさに、茶色の葉をはらはらと落としている最中。イチョウは、路面にびっしりと黄色の絨毯を敷き詰めて、なおかつ木々に黄色の葉をまとっている。不思議なことに、そのときイチョウは小休止のようで、落葉することはなかった。また、ユリノキの木立が並ぶ一画があって、異国の秋を思わせる洒落た風景を見せてくれる。そういえば、去年もこの時期、ここで枯葉を楽しんでいる。
ところで、平日の公園はのんびりして人気が少ないため、保育園や幼稚園の園児、小学生の一団が訪れる。今日も、いくつかの広場に、子供たちの人影と声がした。幼児の声は開放された空間でも、不思議とよく聞こえる。精一杯、草原を走るさまは可愛らしく懐かしい。一方、小学生たちは、付き添いのカメラマンだろうか、クラス写真を撮ってもらっていた。この一瞬も、それぞれの人生につながり、記憶に残ることだろう。子どもたちを見ているだけでなぜか満たされる気分になる。
枯葉のおじさんは、今日じゅうぶん満たされた。