KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(6/14)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、管楽器「太平簫(태평소)」に関する曲を紹介した。
始めに、王や軍隊の移動時に演奏する曲「大吹打(대취타)」について次のように紹介された。
・王のお越しや、軍隊が行進する時に演奏した曲に「大吹打」がある。曲名にある「吹打」は、吹く・叩くの意があり、口で吹く管楽器と、細長いもので叩く打楽器の演奏を指す。行進に、弦楽器のカヤグムやコムンゴを演奏するのは難しく、移動に便利な管楽器と打楽器が主に使われた。「吹打」をそのまま曲名にしたものがある中で、「大吹打」は代表曲を意味する。
▼ 「法螺貝製の楽器『螺角(나각)』と、リズム主体の楽器『太平簫』」で曲「大吹打」を聴く。睥睨するよう響く。
次に、楽器「太平簫」の構造と、農村での演奏曲「ヌンゲ(능게)」について次のように紹介された。
・韓国伝統の管楽器は、ほとんど竹製であるが、「太平簫」は固いナツメやヤナギの木で胴を作り、多年草の葦を薄く削ったダブルリードを吹口にはさんで音を出す。先端に金属ラッパを持ち音が遠く広がるようにする。音量が最も大きい管楽器のため、主に屋外で演奏する。宮廷の演奏曲で、強大な感じを与える。楽器名にある「太平」は、「天下太平」から取っている。農村で演奏するときも、重要な役割を果たす。中でも、「ヌンゲ(능게)」は、代表的な太平簫の演奏曲だ。
▼ (曲名の意が明らかでないが)「ヌンゲ」の演奏を聴く。明るく楽しく騒がしく・・・。
最後に、太平簫の起源と、その響きに安寧の祈りに通じるものがあるのではと次のように紹介された。
・西域(ササン朝ペルシア)で作られ、シルクロードを通じて、高麗時代末にモンゴルから伝来したという太平簫は、日本で「嗩吶(チャルメラ)」、中国で「嗩吶(Suǒnà)」と呼ぶ。(トルコの管楽器「ズルナ」が思い浮かぶ)
・インドの葬儀に、太平簫に似た楽器を演奏することがあるという。いずこも楽器の役割は似ているようで、この世の暮らしを終えてあの世に行く人に、その旅立ちが平和であるように祈る心が込められているのだろう、とのこと。
▼ 太平簫の演奏「あなたが踊るので私も踊る(너가 춤을 추니 나도 춤을 춘다)」を聴く。愉快に楽しく今様に・・・。