KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(11/23)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、<平安道と黄海道を合わせた西道(ソド)地域>に関連した3曲を紹介した。
始めに、朝鮮時代の平安道地域差別として、農民反乱 「洪景来(홍경래)の乱」(1811年)について次のように紹介された。
・人は、自然や周辺情勢の影響で、地域特有の文化や行動を育てた。戦いを好むとか芸術を好む地域など類別された。それは地域の結束になったし、誤解や差別・対立の原因にもなった。朝鮮時代に、現在の半島北部にある平安道地域の人々は、王朝から差別を受けた。その理由の正確な記録はないが、暗黙に、その地域の人が朝廷の要職に就くのを嫌った。両斑階層は、その地域との婚姻もなかった。当時、洪景来を中心にした大規模な農民の反乱「洪景来の乱」があった。日頃の不満が積もった結果だった。一般の民は、ただ歌で恨みをなだめた。
・北部、平安道と黄海道の「西道地域」では、若干鼻声を交えて歌う。愛と別れの歌にも、深い悲しみや喜びが感じられる。
▼ 悲しみで満ちた歌の意の「愁心歌(수심가)」を聴く。哀調を帯びた長いトーンで訴えるように歌う。大陸風か。
次に、「風具(풍구)」と呼ぶ、風を起す道具<鞴(ふいご)>について次のように紹介された。
・「風具」と呼ぶ、鞴(ふいご)は、扇風機のような形状で風を起こし、鍛冶屋で火を焚くときに使ったり、収穫の後、穀物を選別するときも使った。プングで風を起こし、穀物をゆっくり注ぐと、ほこりは飛ばされて、穀類だけが残る。また、かまどで火を焚くときも使った。
・北部の街、平壌は、中国へ向かう途中に位置し、人や物資も豊かな風光明媚な場所だった。当地で官職に就くのが、最高の安楽とされた。
▼ <平壌地域の豊かな環境が浮かぶ>風具の歌、「風具歌(풍구소리)」を聴く。洗練されて今様に歌う。
最後に、豊漁を願う漁民の船歌「延坪島難逢歌(연평도난봉가)」について次のように紹介された。
・黄海道は、イシモチが有名で、イシモチが集まりだすと、その鳴き声で眠れないほどだったという。船乗りには、どんなに興が沸いたことか。また、船を待つ家族もなんと幸せだったかうかがわれる。
・仁川の延坪島で歌われる西道地域の民謡舟歌に「延坪島難逢歌」がある。曲名は、「難逢」という者の名から付けられたというが、今の歌詞は彼の名と関係ないという。<カニのこうらに乗って釣りをしに行く> などという歌詞が大変面白い。
▼ 延坪島がある西道地域の民謡舟歌の「延坪島難逢歌」を聴く。軽やかな歌声。ちょっと楽天的に洗練して歌う。