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2016年6月1日水曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 沈清歌ほか

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(5/25)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、パンソリの代表的な「沈清歌(심청가)」などに関連した3曲を紹介した。

始めに、パンソリ「沈清歌」で、沈清と父が「夢恩(몽은)寺」の化主僧(화주승)との出会いについて次のように紹介された。
・パンソリ「沈清歌」は、目が不自由な父に育てられた孝行娘、沈清の話しを歌う。中に、父が川に溺れる場面がある。夕方にも戻らぬ沈清を心配して迎えに出たが、たまたま雨水がたまった川に溺れる。通りかかった「夢恩寺」の化主僧に助けられる。化主僧とは<施物をもらって寺の糧食をまかなう僧侶>で、夢恩寺の名の通り恩恵を受けた。そんな沈清は後に皇后となり、父の目も治るが、それまでは大変だった。化主僧は、この親子を哀れに思い、ひとつの方法を教えた。仏に金品を供えると目が治るというのだ。これが辛い道のりの始まりとなった。

▼ 「沈清歌」から、「僧侶打令(중타령)」を聴く。リズム「オッモリ(엇모리)」で代表的なくだりという。

(本ブログ関連:”沈清歌”)

次に、パンソリの「興甫歌(흥보가)」と「水宮歌(수궁가 )」での、リズム「オッモリ」について次のように紹介された。
・パンソリ「フンボ歌」にも僧侶打令がある。善良な弟フンボと意地悪な兄ノルボの話だ。フンボ夫婦が貧しさのあまり泣いていると、通りかかった僧侶が家の敷地を探してくれる。フンボはその家に引っ越して、怪我をしたツバメの足を治すことで金持ちになる。パンソリでは、重要な人物が登場するとき、「オッモリ」のリズムを使う。オッモリは、<十拍で構成され、三拍と二拍を繰り返して、緊張感を高める>のが特徴。パンソリ「水宮歌」は、ウサギの肝を探しに出かけるカメの話だ。虎が登場する場面で、オッモリのリズムがある。海から上がったカメは、山にたどり着いてウサギを見つけ、嬉しさのあまり呼び止めようとするが、間違えて虎を呼び止めてしまう。ウサギと一緒に戻るはずだったが、目前の虎に自分の命が危うい状況に陥ってしまう。

▼ 「水宮歌」から、「カメが虎に会う場面(별주부 호랑이 만나는데)」を聴く。これもリズム「オッモリ」の代表的なくだり。

(本ブログ関連:"興夫歌"、"興甫歌"、”水宮歌”)

最後に、オッモリのリズムの意味と、「巫俗」の音楽との関連について次のように紹介された。
・オッモリのリズムは、三拍と二拍が繰り返して出て、リズムがよろよろしているかのように聞こえることで、オッモリと呼ばれる。頻繁に使われるリズムではないが、だからこそ特別な効果を演出できる。オッモリは巫俗音楽によく見られ、民謡ではほとんど使われない。だが、北の地域、江原道の「アリラン」は、オッモリに合わせて歌う。

▼ 「江原道アリラン」を聴く。軽快でなぜか明朗な響きするアリラン。

・「江原道のアリラン」の歌詞にあるツバキ油は、昔の女性が髪を整えるのに使った。髪をきれいに整えたところで、見てくれる人もいないという嘆きを歌っている。

(本ブログ関連:”江原道アリラン”)