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2013年4月24日水曜日

チック・コリア

昔のジャズ喫茶の思い出ときたら、吉祥寺だったかな、地下室につながる狭い階段を降りると、黒壁を背にした客がうつみき加減にタバコをふかし、部屋中を紫煙が幾重に漂っていて、いい具合に照明がゆらめいていたもんだ。まるで陰鬱さを証のようにして、視線をあわすこともなく、むしろ互いに心理的に距離をとるように、客たちは重い空間に沈んでいた・・・結局、そんな時代のポーズに長居できなかったけど。

あるとき、LPレコードのジャケットに、"Chick Corea"と大きく赤い筆記体で描かれたチック・コリアのピアノ即興曲集「Piano Improvisations Vol. 1」(1971年)があって、それを聞いたときには何だかほっとした。旋律に乗ってしまえばしめたもの、そのまま流れていけばいいのだし、即興そのままを体感できるような、自分の空間で自由に聞ける心地よさがあった。

それではYoutubeで、「Song for Sally」でも聞いてみようかな。(登録者Mike PianoPlayに感謝)

(付記)
ところで、タモリがピアノの白鍵だけで、「努力なしでチック・コリア風ピアノ演奏の技法発表」したのを聞いて笑ってしまったよ。そう、何だか謎解きしたようで、チック・コリアが誰にも内在するものをほどいてくれていたんだってことに気付いたんだね。タモリが、自宅でこの技法で演奏?すると、もっと没入すると言い訳していたのもうなづける。