杉並公会堂で、アレクサンドル・ラザレフ(Александр Лазарев)指揮、日本フィルハーモニー交響楽団の演奏によるコンサートに、韓国語学習の仲間から提供されたチケットで、何十年振りの鑑賞に行く。
曲目は、グラズノフのバレエ音楽「ライモンダ」よりと、チャイコフスキーの交響曲6番「悲愴」である。
コンサートの始めに、指揮者ラザレフがロシア語通訳を通じて、作曲家と曲目について柔和で気さくな雰囲気で、次のように語ってくれた*。それに、演奏後の挨拶でも楽しく会場を盛り上げた。
・グラズノフは、チャイコフスキーのバレエ音楽の後継者の一人といえると紹介した。
・「ライモンダ」からの美しい選曲に対して、チャイコフスキーの「悲愴」は、「静寂」の音楽であり、静寂に始まり静寂に終わる、静寂の中の音楽であり、静寂に耳をかたむけて欲しいと強調した。1楽章と4楽章を中心に聴くように語った。そして、ワーグナーとの関連性や、「悲愴」の構造上、シューベルトの「未完成」に似ていると紹介した**。更に彼の死因にまで言及した。
(*: プレトーク、Youtube登録のJapanphilMovieに感謝)
(**: 「Artes*Web連載」参照、感謝。)
バレエ音楽「ライモンダ」は、第3幕の曲目が話題になるようなので、事前にYoutubeで耳に入れたが、そうではなく各幕から選曲されたようだ。でも、美しい音色に溢れていたことに違いはない。
交響曲6番「悲愴」は、事前にYoutubeでも耳にしたが、素直に聴くことができた。何しろ何十年振りに目の前でオーケストラを聴いたわけで、「静寂」の音楽という紹介があったものの、本物の演奏の迫力に驚愕した。ヘッドフォンを通してPCでYoutubeを聴くのとはわけが違う。それにファゴットとクラリネットのソロの音がよく聞けて大満足。
・・・オーケストラのコンサートにはまりそうだ。
ところで、演奏を聴きながら、指揮者の腕の動きを真似て、膝上のスコアの上に置いた両手人差し指を振った。スコアは開きはしなかった・・・お守りのように携帯しただけだ。