KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(5/9)に、人物シリーズ27回目として数少ない管楽器の笙簧(センファン、생황)演奏家の一人である、キム・ヒョヨン(金孝英:音訳、김효영)を紹介した。
まず、笙簧の復習から始まった。
・大陸に由来する楽器で、日本の笙と似た構造をしている。
- 長さの異なる17本の竹管中に取り付けられた薄い鉄板に息が触れると、板がかすかに揺れ動き、絶妙な透き通るような金属音を奏で、鳳凰や竜の鳴き声に例えられたりもした。
- 底には、ひょうたんの実を乾かして作った共鳴箱があって、やかんの口のような吹き口で、息を吹き入れたり吸ったりして音を出す。
・伝統楽器の中では唯一、複数の音を同時に出すことのできる和音楽器である。
▼キム・ヒョヨンによる、水中の竜の鳴声の意味を持つ伝統宮廷音楽「水龍吟(수룡음)」を現代風にアレンジした「新(신)水龍吟」を聴く。旋律が浮き出てくるようで親和的なのは、現代化の結果なのだろうか。
(Youtubeで笙簧と短簫(단소)の伝統宮廷音楽「水龍吟」を聴いてみる。登録のHyangAkに感謝。)
▼キム・ヒョヨンによるイタリアの舞曲「タランテラ」を聴く。ムムム、昨日チャイコフスキー交響曲6番「悲愴」の3楽章で聞いたばかりで・・・笙簧が奏でるべきことなのかなあ。まさに風琴だね。笙簧に限らず、現代化と伝統楽器の関係がよくわからない・・・。
次のようにキム・ヒョヨンのプロフィールが紹介された。
・管楽器ピリ(觱篥:피리)を専攻していたが、笙簧の可能性に懸け、今はピリから笙簧にメインを移している。
・音楽集団「サイ」を結成して活動している。
▼「サイ」の楽曲から「5月純粋な愛(5월 순순한 사랑)」を聴く。現代曲だよね・・・5月の風に揺れて踊ろうか。心地よいワルツ。