昔、音楽はLPレコードジャケットで手にすることができた。その中に音盤ともいうべきレコード盤と一緒に、収録曲の歌詞プリントが収められていた。LPレコードはサイズが大きいので、ジャケットの表面にはアルバムを表象するデザインが描かれ、裏面には音楽評論として、作家、アーティスト、制作などの解説が印刷されていた。極めて充実していた。(その文化は、CD化により薄れ、ネット配信によって雲散してしまったようだ)
昔の音楽には形があった。聞き流すだけの消費物ではなかった。手にとることができる存在だったのだ。だから、当時のラジオやFMから流れる音楽にも、レコード盤と同じ感蝕を感じることができた。
一昨昨日のブログ(10/17)に、飛行機趣味の懐旧として音楽の話題に触れた。ヒンヤリした成層圏を飛翔するような、対流圏の雲を突き抜けるダイナミックな感蝕をイメージしてくれる音楽はいいものだ。
学生時代の深夜に聞いたFM音楽番組「ジェットストリーム」は、レコードに通じる(アナログで連鎖する)感蝕を持っていた。部屋をちょいと薄暗くすれば、夜の上空を飛ぶ客室の気分にさせてくれた。(もちろん、当時旅客機に搭乗したことはなかったのに)
(本ブログ関連:”ジェットストリーム”)
(Youtubeに登録のkaji274133に感謝)