子どものころ、夢で、何度空を飛んだことだろう。羽ばたきしながら上昇し、滑空してしばらく身を任せるのだが、決まって失速する。あわてて、はばたきを繰り返す。でも、結局、力尽きて地面に軟着する。幸い激突することはなかったが。
「ワルキューレの騎行」よろしく雲の中を突き抜けたり、宙返り(ループ)したり急旋回することもない。夢の中の飛翔は、飛ぶことの難しさを確認させたわけで、実りない夢だったかもしれないが、そのたび、あっ飛んでる、今度こそはと期待した。
せめて実際に、飛行機の飛ぶ姿を見たい。専門家の雄姿だから安心だ。
フォークの系譜と思う、デュエットの「トワ・エ・モワ」が歌った「空よ」(1970年)は、もっと心象的な空の歌なわけで、願いをかける空であり、すべてを見通す空、未来への空であり、過去を知る空。そんな、空も我がものにしてしまう、若いロマンチックな歌だ。
(Youtubeに登録のfuyatakeya1301に感謝)