KBS WORLD放送の「国楽の世界へ」は、先週水曜日(8/31)に、前回までチャンダン(長短:チニャンジョ、チュンモリ、チュンジュンモリ、チャジンモリなど)のテンポについて解説してきたが、今回からチャンダンを活用した音楽を見ていくことになり、当回では「一般庶民たちが広く親しんだ器楽独奏曲」の散調(산조:サンジョ)について紹介された。
まず、国楽の「伝統継承の形を現す言葉として・・・口で伝え、心で教えるという意味の言葉」の「口傳心授(구전심수)」の解説から始まった。
▼ユン・ユンソク(アジェン)、キム・チョンマン(チャング)によるユン・ユンソク流アジェンサンジョの中から「チニャンジョ」を聴く。出だしに何だか現代音楽を聞いているような錯覚を覚えた。
サンジョ(散調)の音楽的特徴
・演奏の特徴は「その時々で、状況や感情に伴い、自由に変わっていく」こと。
・ただし「全てが自由なのではなく、チャンダン(長短:チニャンジョ、チュンモリ、チュンジュンモリ、チャジンモリを中心)の流れに合わせて演奏される」。
・カヤグムサンジョ=チャンダン+クッコリ+フィモリ
・コムンゴサンジョ=チャンダン+オンモリチャンダン
・作曲者の名を冠して「~流」と曲名に付けられるとのこと。
▼パク・ジョンソン(ハーモニカ)、コ・ミョンジン(チャング)によるハーモニカサンジョ「ヨルリム(열림)」を聴く。ハーモニカの音色のせいか、庶民の日常を題材にした映画に流れてきそうな、とても素朴で馴染みやすい音色がする。
サンジョ(散調)の歴史
・起源は、「(100年ほど前の)1800年代末にキム・チャンジョというカヤグムの演奏家がサンジョという形で演奏したのがその始まりだとされ」、その後、他の楽器にも展開されたとのこと。
・「サンジョの・・・メロディーの変化が複雑で、演奏するスピードもとっても速くなったため・・・サンジョ演奏用に、近年になってからサンジョカヤグム、サンジョテグム、サンジョアジェンといった楽器が開発されるようになった」とのこと。
▼キム・スチョル(ギター)による「ギターサンジョ」を聴く。えっ、これってサンジョなのという感じで、ギターの独特な奏法も加わって・・・クロスオーバーだろうか。
(余談)
今日のNHK「テレビでハングル講座」の基本文型は、「알고 싶어요」なので、当然K-POPコーナーに、イ・ソンヒの「알고 싶어요(分かりたいです)」が紹介されると期待したのに、・・・1986年ではだめなのでしょうか。