韓国の若者の間で話題になるものに「血液型性格分類」がある。以前、日本でもマスコミが騒ぎ、家元争いに似た出版競争があった。これは学説を装った俗信(あるいは都市伝説)といえるだろう。占いなど含めたらきりがない。
何となくそう思わせる「俗信」は、一般に土着的な言い伝えもあるが、といって迷信のような深層の固陋さはない。それに、伝統文化へ昇華できるほどでもない。どちらかといえば、表層的でそれもそうだねと軽く受け流せるようなものだろう。
とはいえ、土地がらによる俗信もあるわけで、自分たちと対比しながら聞くのも楽しい。今晩、地下鉄の四谷三丁目駅の近くにある韓国文化院で開かれた、東海大学国際教育センター曺喜澈(チョ・ヒチョル)教授の「韓国の俗信の世界」の講演を聴講した。曺教授は、以前、NHKテレビのハングル講座の講師を担当された。
(俗信とは何かといった学問的な定義より、フールドワーク的情報に基づいた楽しい話題が中心)
事前に配布の講演レジメは、韓国の俗信(18個)について、それぞれ対応する事物を応えるよう選択肢クイズ形式になっていた。例えば、第1問に(他所の)「赤ちゃんを抱っこして言ってはいけないこと」は、次の「① かわいい、② 肌がきれい、③ 重い」のどれかという設問になっている。①の「かわいい」と、②の(栄養状態がよい)「重い」は、嫉妬から神が赤ちゃんをさらっていくので、言ってはいけない。
様々例示の俗信について、庶民生活も含めて解説いただいた。俗信は、当然ながら風土にもねざしているため、初めて聞くものばかりだったが、勘で選択したところ、当たらずとも遠からず半分ほど合った。庶民感覚で言えば、仮にドイツだろうとアメリカだろうと、それくらい互いに了解できるのかもしれない。俗信は、案外、庶民のプロトタイプかもしれない。
(おもしろビデオ : Weird Things Koreans Do)