KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(5/10)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、「太平歌」など関連した曲について紹介した。
始めに、「風流房(풍류방)」で歌われた男女二重唱の「太平歌(태평가)」について次のように紹介された。
・昔、音楽好きが集まり鑑賞する「風流房」があった。風流を楽しむ空間の意で、経済的余裕のある家に設けられた。一、二曲で終わらず、様々な音楽を続けた。歌曲(가곡)では、男女の歌い手が一曲ずつ繰り返し歌い、最後に(伝統的声楽曲中、唯一男女が一緒に歌う)男女二重唱で、世の泰平を祈る歌詞の「太平歌」を歌った。
・「太平歌」は、静かな前奏中、歌い手が急に高いトーンで大きな声、叫ぶかのように歌い始めて、観客の注目を一気に引く。平和な世を望む気持ちの意だろう。
▼ 歌曲「太平歌」を聴く。あまりにゆるりと流れる響きに別の世界の感がする。
次に、李銀珠(이은주)が「朝鮮戦争」の避難生活中に作った新民謡「太平歌」について次のように紹介された。
・ソウル近郊、京畿民謡にも「太平歌」がある。<腹を立てることなく、楽しんで休もう>という歌詞で始まる。世の中には心痛むことがたくさんあるからだ。歌詞は、京畿民謡で知られる、李銀珠が「朝鮮戦争(韓国戦争)」の避難生活中に作った。避難生活のあまりに大変さに、平和な世を祈願して作ったという。人々に大変親しまれ、京畿民謡を代表する曲の一つになった。広く知られる「扇の舞(부채춤)」(1954年、金白峰による創作)の伴奏にも演奏する。
▼ 京畿民謡の「太平歌」を聴く。リフレーンが楽しい(起源についてはnamu.wiki参照)、今様に。
最後に、パンソリ「水宮歌(수궁가)」の「皐皐天邊(고고천변)」の曲について次のように紹介された。
・パンソリ「水宮歌」は、竜王の病を治すため、カメがウサギの肝を求めて陸地に出てくるという物語りだ。「皐皐天邊」の曲は、カメが陸地に出ることを表現し、<高き空の太陽が、山の峰を照らす>場面を表す歌詞で始まる。早朝の水平線に太陽が昇る。海以外の世界を初めて目にしたカメはにとって別世界だった。美しい歌詞と平和なメロディーの「皐皐天邊」は、短歌(단가)やカヤグムの弾き語りでよく歌われる。
▼ カヤグムの弾き語りの「皐皐天邊」を聴く。五線譜で聞く演歌というか浪曲っぽさに驚く。