イ・ソンヒは、デビューアルバム第1集を、澄んでいながらも圧倒的な高音で歌いあげた。それでもヒットの烽火をあげるため、韓国歌謡の唱法を守ったものがあるようだ。売り出したばかりの彼女にとって、選曲・独自性など主張できるはずもないことだったろう。
女性を前面に出さぬ、独特なボーイッシュなイメージが女高生たちに大いに迎え受け入れられたが、まるでそのまま、1990年に来韓した「モントリオール室内楽団」と次のYoutubeのように共演した。そのとき歌った1集所収の「一人になった愛(혼자된 사랑)」(1985年)を、アルバム当時と聞き比べると、本来そうであったかのような錯覚をしてしまうほど変化している。もはや彼女の泳ぎを妨げるのを知らず。
(本ブログ関連:”モントリオール室内楽団”)
風が雨を巻きあげて さらっていった街に
捨てられた傘ひとつ さびしく泣いていた
*
足もとには夕闇せまって 孤独な夜が深まれば
行く辺のないこの心 静寂(しじま)の中で明かした
しずむ 孤独だけが 切なくて
散らばる葉を集め 火をつけて
去った愛を探して さびしい心 (Oh~)
そっと寄りそいみれば それでも 暖かい、暖かい
ひとりいるより
(*以下繰り返し)
(Youtubeに登録のlys2187に感謝)