一般に、企業に採用されるアプリケーションは、オフィス・ツールから経営管理システムにいたるまで、ほぼ海外製品である。オフィス・ツールにいたっては、MicrosoftのOfficeが必須とされ、当り前のように受け入れられている。(もちろん日本のソフト開発会社も十分健闘している)
企業内のシステム管理部門は、時代の変化・技術の進展に即応するため、システムの更新業務が重要な任務になる。そんなとき、頭から足元まで一貫して対応できる製品が求められる。世界シェアが最大な製品は特によく、信頼性を置く基準になる。経営に根拠立てするのに都合がいいからだ。(アメリカの先進的な企業の場合、開発した製品に技術的な関心があっても、その企業が売られる可能性があり、後のメンテナンスが心配である)
企業内のシステム管理部門は、管理業務に極めて保守的である。同様に、日本語化した製品を導入する際も、日本語らしい見た目を要求する。
海外製品を日本語に変換することをローカライズという。横のものを横にするだけだが、根底に日本的な要素の追加が求められる。代表的なものに罫線があり、アンダーラインとして使うだけでなく、表組み表示が求められる。ローカライズ作業の過程で、海外製品の不適切さを見つけることも多々あるが、罫線化は重要な作業のひとつになっている。
日本人は、罫線が好きだ。一方、アメリカの文書は、タイプライターの文書を見れば分かるが、罫線の伝統がない。現在でも専門分野の英文マニュアルに罫線は少ない。横棒(ハイフン)を連打して罫線もどきにする場合もある。(タイプライターの場合、文字が一律同サイズで、字間が均一なため平板な印象を与える)
一般に、システム開発プロジェクトの報告書に、罫線が容易なExcelが使われる。Wordが使われることはほぼなかった。元々、Excelは、システム開発業務に密着しやすいため、Excel+Word=Excelと、一括でき便利だ。(文書管理システム構築にあたり、始めにExcelで文字数まで含めた雛形を作って、文書フォームを要求したりする)
何で日本人は、罫線が好きなんだろう?
Google検索で、「日本 好き 罫線」で探してみると、いろいろな意見に出会う。どれもこれも、そんな気がする。でも、何でなんだろう。
参考:
・マイナビニュース:「「罫線が大好きな日本人に米国人開発者が驚愕」 - グレープシティ 八巻氏」(2009_11_4)
・スマダン:「時間を奪う『Excel方眼紙』問題を公開討論へ! 生産性の低下に本当につながるのか」(2017_8_4)
追記:
昨日の忘れものを無事回収できた。ちゃんと預かってくれたお店に感謝。