KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(5/8)に、文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズの第5回として、母の日と父の日を一緒にした5/8の記念日「両親の日(オボイナル、어버이날)」について紹介された。
まず、親孝行についてカラスの別名の紹介から始まった。
・韓国では(カラスよりも見かけるという)カササギは、幸運を招く吉鳥と好まれ、片やカラスは、鳴き声、真っ黒な姿に良く思う人はいないが、昔の人々はカラスを尊んだ。鳥は親が子に餌を運び、育てるが、カラスは更に成鳥して、老いた親に食べ物を運ぶといい、「反哺(はんぽ)鳥(반포조)」とも呼ばれる。・・・5月8日は、韓国では「両親の日」である。
▼ソン・ムンソンの歌による「お母さん(어머니)」を聴く。今様で・・・らしい民謡の節も入れている。
親孝行を題材にしたパンソリ「沈清歌」を次のように紹介された。
・生後まもなく母と死別した主人公「沈清」は、盲目の父に大切に育てられる。赤貧の中、物乞いして父を養った。16歳のとき、父の目を開かせられる金を受けるため、荒海に人柱となる決意をする。身を投じた彼女は、感動した神により現世に送られ、後に王の后となり、父の目もついに見えるようになる。
・子を思う親の心、親を思う子の心は、誰もが共感できる。「沈清歌」は、演劇に再構成した「唱劇」でも公演され、感動が倍増される。
▼パク・エリの歌と国立唱劇団による「沈清が人柱となるため売られていく題目」を聴く。劇的な響きがして・・・庶民としては素直に聴いてしまう。
韓国西部一帯の民俗劇(巫女踊り)の一種「ペベンイ・クッ(배뱅이굿)」が次のように紹介された。
・先に逝った子へ親の切ない思いが込められた歌だが、題材は悲しいもののコミカルに描かれる。遅く授かって、この上なく可愛がった娘「ペベンイ」が去ったことに老夫婦は悲しみにくれる。その魂だけでも再び会いたいと全国からムーダン(巫堂、무당)を集めては、霊を呼び寄せる祭祀「クッ(굿)」を行う。
あるとき、村を通りかかった旅人が噂を耳にして悪知恵を働かせる。娘について調べ、偽ムーダンとなって両親を訪ねる。娘の霊が憑依したかのように演じて人々をひやかす。偽物にも関わらず、娘に再び会えたと、両親はこの旅人に全財産を惜しみなく与える。滑稽な展開の中にも、両親の心を感じることができる。
▼イ・ウングァン他による「ペベンイ・クッ」中から、「八道巫堂がクッを行う題目」を聴く。賑やかな調子が伝わる。