KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(6/6)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、亡なった人への追想の儀式や歌についての話を紹介した。
始めに、平安な時代を追想し、いしずえになった人々を追悼する日について次のように紹介された。
・善良な王の治世に「尭舜の時代」(中国古代の帝王、尭と舜の時代)がある。聖人と言われた王の尭が、老人が次のよう歌うのを見た。< 太陽が昇ったら働き、沈んだら休むという平和な生活では、王が徳をもって国を治めることなど、自分とは関係のないこと >(「撃壤歌」) 。尭は、これこそ平和な時代と満足した。しかし、歴史には平和な時代があまりなかった。韓国近代史も、苦難の中にあった。今日(6/6)は、メモリアル・デイにあたる祝日「顕忠日」(戦没者追悼の日)である。
▼ 「シッキムクッ(씻김굿)」の歌詞から「君のための歌(그대를 위해 부르는 노래)」の歌を聴く。死出の旅遠く、今様に。
次に、この「シッキムクッ」の儀式と、その鎮魂の意味について次のように紹介された。
・「シッキムクッ」は、全羅道地方で、死者の魂をあの世に導く儀式に歌う。一生涯、悔いのない人生はないだろう。残された家族も名残惜しい。今生に対する未練や恨みを洗い流す意の「シッキム」と、巫女(シャーマン)が行なう儀式の「クッ」から、儀式を「シッキムクッ」と言う。合わせて、残った家族の心も共に洗い流す意もある。
▼ 珍島「シッキムクッ」から「ヒソル(희설)」の歌を聴く。土着 →(土着+仏教)→ 仏教、・・・その混合か?
最後に、この土着的儀式の「ヒソル」と、仏教儀式の「霊山斎(영산재)」について次のように紹介された。
・「ヒソル」は、「シッキムクッ」の儀式の一つで、死者が問題を乗り越えて極楽へ行くことを祈願する歌だ。「シッキムクッ」の儀式は、全羅道全域で行われたが、今は、珍島や小諸島の村を中心に受け継がれている。巫女の歌と踊りなどに芸術性が認められ、国の無形文化財になっている。一方、仏教では、人が亡くなると「四十九日」の法事を行なう。この儀式に「霊山斎」(同じく国の無形文化財)がある。この儀式は3日間行われ、各地から優秀な僧侶が集まったという。
▼ 僧侶の歌で、仏教音楽「伏請偈(복청게)」を聴く。伏請大衆 同音昌和 神妙章句 大陀羅尼・・・長々と歌う。
・国の無形文化財は、年に一度、全ての過程を一般公開する。ソウルの新村にある、「奉元寺(봉원사)」では、毎年6月6日、「霊山斎」を行っている。
(本ブログ関連:”韓国仏教”)