きょうは二十四節気の「小満(しょうまん)」、いのちが夏の陽を浴びて次第にかがやく季節。さらに、この小満を3等分して、初候を「蚕起食桑(かいこおきて くわをくう)」、次候を「紅花栄(べにはなさかう) 」、そして末候を「麦秋至(ばくしゅういたる)」という。カイコと桑の葉の <緑色>、ベニバナの <紅色>、 穂が実り収穫期を迎えたムギの <黄金色>、彩りあざやかな季節でもある。
(本ブログ関連:”小満”)
二十四季の中で、節気の名の頭に「小」が付くものがあるのは、夏と冬の季節だ。いってみれば四季で変化が激しい時期にあたる。ひとびとは、ピークにいたる、そして退くタイミングを気にした(気づいた)のだろう。
自然とともにある農家の縁側で、日向ぼっこしながら遠くを見やり、季節の流れを感じるなんてこと、考えてみれば貴重な体験だ。自然を色や空気で感じていたのだろう。ただし、自然は必ずしも穏やかじゃない・・・ときに不安定なものだったろうから、都市生活者があこがれる絵葉書のような一瞬の光景ばかりではないし。
小満って、駄洒落でいえば <小さな満足> かもしれない。
(付記)
図書館で、「平安ガールフレンズ」(酒井順子著)を借りてきた。今様な感覚で平安時代の女性文筆家たちを解きほぐす。書籍の表紙に、彼女たちのひとりとヒソヒソ話をしている著者の戯画が描かれていた・・・軽めなタッチに誘われて手にした。若手で鳴らした作家たちが古典に帰っていく。いずれも興味深い。