こんな風に過ごしやすくなるのに、年々時間がかかるようになった。冬の寒さから解放される目安は、10℃と思う。部屋から廊下に出る億劫さが薄れるからだ。そのうえ20℃を越えれば、自然に体が浮いてくる。
地元の気温で20℃を越えたのは、2月の13日と14日、3月の8日と17日だった。特に2月13日は24℃を越えた。そんなとき、もう充分に寒さに耐えたから、このまま突き進んで欲しいと願った。けれど、三寒四温のお天道様は許してくれなかった。
では、15℃ではどうだろうかと掛け合った。3月に入ると、特に月末になると15℃越えが続き、昨日の3月31日は19℃を越えた。もう大丈夫だろうと安心して、ストーブを押入れに閉まった。これから少しくらい寒くても、いつまでもストーブに頼っていられない。体を慣らす決心をしたのだ。
けれど、今日、私は負けた。
ストーブを抱えながら詫びた。済まなかった、もう一度部屋に戻ってくれと。現在、私のそばで、ストーブは赤い炎を揺らしている。少し熱いくらいに。