イ・ソンヒが、昨年(2014年)のデビュー30周年記念コンサート(世宗文化会館)で歌った、6集所収の「思い出のページをめくれば(추억의 책장을 넘기면)」(1990年、作詞・作曲ソン・シヒョン)は、彼女の音楽人生の深さを示すものだが、研ぎ澄まされ、洗練された響きを感じさせる。歌の終わりとともに会場から湧き上がるどよめきは、熱狂するためでなく、感動を受けるために来た観客のものだ。
(本ブログ関連:”思い出のページをめくれば”)
この歌には、始めから彼女の思い入れがある。27歳当時の彼女の回想録、「(資料)イ・ソンヒのスター・ストーリー『10.それが歌なの 発声練習では』」から、歌手としての自覚と試行を感じとることができる。・・・2014年1月15日の本ブログに掲載。
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・時折、私に向かって「それが歌か、発声練習では」と厳しく批判する人もいる。認める。(イ・ソンヒの歌唱の特徴として)私の歌が主に高音域中心であるから。
・それで、6集「思い出のページをめくれば」では、トーンをかなり低く下げた。偏狭な考えかも知れないが、6集くらいで満足できなければ、私は致し方ない。世の中のすべての人を満足させる能力は私にはないので。
・私はそれなりに情熱と誠意を尽くして歌う。全身に力を集中して「熱唱」する数年・・・いつのまにか私の手の平にはタコができた。私も知らない新しいマイクを握った掌中に力が入っていたようだ。
・私の名前の前に「歌手」という接頭辞がつき始めて以来、私は実に多くの仕事を経験した。
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「思い出のページをめくれば」は大変美しい曲だ。Daumミュージックに掲載のスペシャル企画連載「レジェンド・プロファイル16弾-イ・ソンヒ」(ムン・ジョンホ、2011年12月8日)は、その音楽性の高さについて次のように語っている。・・・2012年10月24日の本ブログに掲載。
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・1990年代にイ・ソンヒが残した成果の中で最も素晴らしいアルバムは1980年代の方法論をより一層完成度あるように実現した「思い出のページをめくれば(추억의 책장을 넘기면)」(1990年、6集)である。クラシックの旋律を加味して気品を高めることに肯定的な影響を及ぼした 「思い出のページをめくれば」とブルースを試みた「懐かしさは去って」、イ・ソンヒ特有の迫力を感じることができる「懐かしい国」などが入れられた「思い出のページをめくれば」は1990年代だけでなく、全体の結果を見てみても断然引き立って見える。
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ゆらぐる、思い出のページをめくれば
ああ、遂に果たせなかった悔しさと侘しい贖罪が
*むかしのことのように、ぼんやりとかすむ窓枠の塵(ちり)のように
ああ、胸に積もるよ、今は遠ざかったあなたの微笑みのように
雨風がなくても春は来て夏は行く
ああ、あなたよ・・・涙がなくても、花は咲き葉はやがて散る
ああ、あ~、わたしに残った懐かしい、歳月を浮かべて、眠りにつくよ、夢を見るよ
(* 以下繰り返し)
眠りにつくよ、夢を・・・見るよ・・・
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