子どものころ、こんな言葉を聞いたことがある。「本間様*には及びもせぬが せめてなりたや殿様に」。権威(支配)を超える豪商のことで、江戸時代の出羽酒田(山形県酒田市)の本田家の繁栄ぶりをうたった俗謡だそうだ。士農工商を建前とした時代の商人の実力を知るわけだが。
(*)本田家は、後に武士になり、庄内藩の財政改革に取り組んだという。
金田一晴彦の「ことばの歳時記」(新潮文庫)の2月6日のタイトルは「金持ちのランク」で、江戸時代の<大阪>の場合、西鶴が記したそれは、資産(財産)として次のように紹介している(現在の価値は Gemini による)。
・「分限」: 銀500貫目(現在の約75億〜100億円)
・「長者」: 銀1,000貫目(現在の約150億〜200億円)
彼らは、金を稼ぐことに意味のある存在だが、さらに、その上のランクにいるものがある。
・「よい衆」: 最低でも銀3,000貫目(現在の約450億〜600億円以上)
よい衆になると、超越していて、商いと文化が融合した存在になるようだ。
同書では、<東京>の場合、「大屋」、「金持ち」、「成り金」の三段階としめている。
武蔵野台地の主な酒蔵
これまた子どものころに聞いたのは、酒造りの「酒蔵」も、地域の金満だった。地元を見回したところ、水に乏しい武蔵野台地だけに酒蔵は見当たらない・・・念のためネットを検索したら、地下水(伏流水)を利用の台地上に、あるいは台地縁辺の多摩川周辺に、老舗があるという。
Geminiにて修正(台地上:深い井戸=深層地下)、縁辺:崖線(はけ)・河岸段丘)
・豊島屋酒造(東京都東村山市):日本酒「屋守」「金婚」← 台地上
・石川酒造(東京都福生市):日本酒「多満自慢」、クラフトビール「多摩の恵」 ← 縁辺
・田村酒造場(東京都福生市):日本酒「嘉泉」 ← 縁辺
・中村酒造(東京都あきる野市):日本酒「千代鶴」 ← 縁辺
・野口酒造店(東京都府中市):日本酒「國府鶴」 ← 縁辺