子どものころ歌った唱歌に、冬の夜にふさわしい「ペチカ」(作詞 北原白秋、作曲 山田耕筰、初出 大正13年:1924年)がある。夜の部屋に暖かい炎が灯る「ペチカ」を想像しながら歌った。ペチカって、「暖炉」のようなものとイメージして・・・。
(本ブログ関連:”ペチカ”)
実際は、炎の見える暖炉と、炎が見えず壁に煙路を巡らして部屋を暖めるペチカといった違いがある。暖炉は燃料を燃やしたときだけ働く暖房装置であるのに対して、ペチカは(壁に)蓄熱する暖房装置ということになるようだ。
したがって、サンタクロースは、暖炉の幅広の煙突から入り込めても、ペチカは壁の中にある狭い煙路を伝う必要があるので難しい。ペチカのロシアでは、欧米風のサンタクロースでなく、ジェド・マロース(森のじいさん/寒さの精霊)がプレゼントを渡しにドアをノックするそうだ。
一方、日本には煙突がないので、目を覚ましたときクリスマス・プレゼント発見した子どもたちは、サンタクロースが訪れたことを知る。大人は、サンタがどうやって部屋に入ったのかを考える必要がないように、プレゼントに話題を集中させる・・・それでよいのだ。
ところで、ペチカの歌の始まり「雪の降る夜は 楽しいペチカ / ペチカ燃えろよ お話しましょ / 昔むかしよ 燃えろよペチカ」は忘れられない。唱歌の世界は別にあるようだ。
■ Youtube(登録:童謡チャンネル こどものうた いはら よしのり)
「ペチカ(雪のふる夜はたのしいペチカ) 北原白秋作詞・山田耕筰作曲 うた: いはら よしのり ピアノ: いのこ あんな」
ー https://www.youtube.com/watch?v=e74WF0eeoS4