普段使わない二階部屋に熱気が夕方までこもることが少なくなった。それも、ここ一週間ほどの変化の気がする。季節を感じるのは、意外と身近な処からかもしれない。
秋の気配を、鋭い観察眼をもって、風がかすめる具合や木の葉の揺れ具合といった振る舞いから気付くのが、少々高尚のような気がしないでもない。でも、日常生活の中でとっくに気付いていることがある。水道水に温みを感じなくなったとか、冷蔵庫の麦茶の消費量が減ってきたとか。
詩情というのは、個人的な生活感よりも、自然のなかで気付く日の陰りなどといった共通体験で語る方がよいのかもしれない。
でも、実感は日常の中にありそうだ。