今日は「夏土用入」で、そろそろ鰻重を食べたくなるころ。まさにその「土用の丑の日」は、来週の7月27日になる。
(本ブログ関連:”土用入り”)
鰻の蒲焼の記憶をたどると、下町に住んでいたころ、大きな橋の近くに、道路に向けて戸を開けっ放しにした鰻の蒲焼屋があった。飾りがこれっきしもない、蒲焼だけを売る専門店で、この時期になると客が次々押しかけてえらく繁盛していた。
歩道に蒲焼の煙が漂い、美味そうな焼き加減の香りが流れ、歩道に面した店先の屋台には蒲焼が何重も盛られて照りもよく、ますます食欲がそそられた。
で、そこで買い求めたかといえば、ちらりと覗き見するだけで通り過ぎていた。下町っ子の気風が足りず、今になって思えば、食味しておけばよかったのにと悔やむことしきり。そうすれば、蒲焼の記憶は味覚を含めてもっと豊になっていただろうに・・・。