今日は昨日より冷えると、テレビの天気予報で気象予報士がいった。とはいうものの「例年と比べて暖かい」と付け加えられた。なるほど、韓国語会話教室の帰り道、夜道は思ったより寒くなかった。重装備に近い防寒着も、あてが外れたよう。
風もない帰り道、外灯の影で若い母親が幼い女の子をママチャリの後部座席に乗せるのが見えた。こんな時間にと思った。夜9時過ぎだ。保育園に預けていたのだろうか、なぜかいろいろと気になった。普段から、ママチャリに子どもを前後に乗せて走る母子の様子に、思わず「頑張って」と口ずさむ。歳をとると、そういう思いが強くなる。
ところで、子どものころ、父は自分だけ見る映画があって、母に嫌味をいわれていた。今は無いジャンルで「母子(ははこ)もの」(或いは母物映画)という、戦中・戦後の経験の中で生まれた女性像、母子家庭を描いたものだ。誰もが共有した時代があったからこそ、働き場所を限られた中でも健気に生きる母子に観客は涙した。(ネットに研究者の論及があった。当時の観客たちの時代の経験と心情をふまえて、それぞれの立場まで肉迫したか気になる。)
勝手な想像は許されないけど、あのときもの影で見た母子(ははこ)の姿に一瞬で反応してしまったのは、もしかしたら、父に何度か連れられて見た、三益愛子の映画の一場面が蘇っただけかも知れない。