市民参加型新聞といわれる韓国のオーマイニュースの記事「[イシュー] 昔の友に会ったように嬉しいLP」(1/29)に、中古LPレコードの宝庫ともいうべきソウルの”会賢地下商店街(회현 지하상가)”について以下のように紹介している。
なお、同地下街には、イ・ソンヒのLPレコードの発掘に3回ほど出かけたことがある。2回ほどで大方収集できた・・・というか、彼女のLPが容易に入手できたことに驚いた。LPレコード中心であるため、中古CDの品揃えは少ない。(CDはネット頼みかもしれない)
(本ブログ関連:”会賢(フェヒョン)地下商店街”)
本記事には、中古LPの話題以外に、1970年代に行なわれた「禁止曲」について若干触れられており、若者に浸透を始めたロックやフォークに及んだことが分かる。独裁国に見られる締め付けだが、「退廃芸術」や「社会主義リアリズム」ほど大々的には至らなかったようだ。
⇒ (参考)「1970 年代以降の韓国禁止歌と韓国社会」(金珉廷)
禁止理由分類に年度に偏りあるものとコンスタントのものとがある。
(本ブログ関連:”禁止曲”)
イ・ソンヒは、1984年にデビューしており、その後の世代にあたるが、禁止曲に該当したシン・ジュンヒョン(申重鉉、신중현)作詞・作曲の「美しい江山(아름다운 강산)」(1972年)を、カバーというか国民歌謡にまで再生している。
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・真昼でも息が暖かく感じる氷点下の天気のため、屋内や地下路だけ通うことになる。ソウルの明洞と南大門市場をつなぐ「会賢地下商店街」には(中古)LP店が多い。イ・ソンヒ、ヤン・ヒウン、山びこ、新村(シンチョン)ブルースなどの歌が、ターンテーブルから聞こえてくる。
・LP(ジャケット)にある写真を見ると、古くからの友に会ったようでうれしい。当時の歌の言葉は、歌詞が美しくて詩的なのでいい。歌を吟味することができる。(また)1970年代には、多くのLPが禁止曲だった。
・LP店のおやじさんが教えてくれた、一番記憶に残る禁止曲は、キム・セファンが歌った「道端に座って(길가에 앉아서)」(1973年)だ。
その理由は「勤労意欲低下」だったと。
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(参考)Youtube登録「道端に座って」(歌詞も記載: 登録者に感謝)
以前の「テレビレポート」の記事「ユン・ヒョンジュ ”道端に座って” 禁止曲、なぜやることなく眺めているのか」(2012年9月22日)だが、「道端に座って」が禁止になった訳を作者の口を通じて次のように紹介している。
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・(「道端に座って」の曲について)MCのシン・ドンヨプは「このようにさわやかな歌が(どうして)禁止曲だったんですか?」と聞き、これに対して(同曲を作詞・作曲した)ユン・ヒョンジュは、「やることなく、通り過ぎる人をどうして眺めているのかと禁止曲になった」と言って、大きな笑いをとった。
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何でこの曲が・・・。(当時、禁止対象となった曲の関係者に、大麻が仕込まれて事件化したようだ・・・真偽はどうだったのか?)