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2016年11月9日水曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 菊

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(11/2)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、<菊>に関連した3曲を紹介した。

始めに、「四君子(사군자)」のひとつの「菊」について朝鮮後期の文人李鼎輔(이정보、1693年~1766年)が作った「菊[花]よ(국화야)」の曲について次のように紹介された。
・学識と徳を備えた人を「君子」と言う。君子は、学者(ソンビ)にとって理想の姿だが、世に君子と呼ばれる人はいても、清い香りする人は多くない。そのため、梅、蘭、菊、竹を指して、「四君子」と言う。四君子の、①梅は、雪が溶ける前の春、最も先に花を咲かせる。②蘭は、深い山の中でほのかな香りを漂わせる。③竹は、四季を通して青く、まっすぐ伸びる。最後の、④菊は、霜が降りるまで咲くため、見習うべき対象とされる。
・昔の詩歌に、四君子をテーマにしたものが多い。「平時調(평시조)」という定型詩で、霜にもめげずに耐える菊の様子を歌った「菊よ」という曲がある。朝鮮後期の文人李鼎輔が作ったといわれる。彼は、普段は厳しく強直で、言うべきことは言う性格のため、何度も官職から罷免された。正しいことには、自分の意志を曲げなかった。混乱した世に染まらず、自分の意志を貫く、菊のようなソンビだった。

▼ 平時調で「菊よ」の曲を聴く。孤高に晩秋に咲く菊の花を、穏やかに歌いあげる。

次に、現代の作曲家黄秉冀(황병기、1936年5月31日~)が、徐廷柱(서정주、雅号「未堂」、1915年~2000年)の詩を基に作曲した「菊の傍らで(국화 옆에서)」について次のように紹介された。
・黄秉冀の曲「菊の傍らで」は、詩人徐廷柱が1947年に発表した詩「菊の傍らで」を基にした曲だ。<一輪の菊を咲かせるため、ホトトギスは春から鳴いていた/雷が黒雲の中で泣いていたのも、菊を咲かせるためだった/・・・>といい、菊を<姉のような花>と表現している。

▼ 徐廷柱詩、黄秉冀作曲、「菊の傍で」を歌と弦楽器のコムンゴとカヤグム演奏で聴く。現代感覚する、独白のよう歌う。

最後に、南部地域の南道の(長い民謡調の唱)雑歌興打令흥타령)」について次のように紹介された。
・昔のソンビは、秋に菊が咲くと、親しい人々を招いて夜に風流を楽しんだ。四方を塞いだ部屋に明かりを灯し、その前に菊鉢を置いた。すると、壁に花模様の影ができ、水墨画のように影が映ったはず。明かりの位置により影も動いた。南部地域の道雑歌「興打令」は<窓の外に菊を植えて、菊の下に酒を醸しておく>という歌で、<酒が発酵し、菊が咲くと、友が来て、月も明るい。コムンゴなど、夜通しで楽しもう>という内容で、恋しい気持を主題にしている。美しい季節の秋、一輪の菊など見つめながら友が恋しくなる頃でもある。

▼ 南道雑歌「興打令」を聴く。大衆歌謡を思い出させる、情感たっぷりに聞かせてくれる。