KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(9/14)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、秋に夕という漢字を組み合わせた節句<秋夕(추석)>に関連する3曲を紹介した。
始めに、「秋夕」に食べる餅(松餅、송편)作りや、コムンゴ名人百結(백결)と彼の妻の伝説について次のように紹介された。
・昔、節句の「秋夕」を控えて、最も忙しい所は精米所だった。秋夕に食べる「松餅」作りのため、水にひたした米を平らな容器に入れて精米所へ向かい、精米の列を待った。きめ細かく粉状にした米を背負い戻って、家族みなで松餅を作る。手間どる作業だが、貧しい人々には、それも羨ましかった。コムンゴ名人の「百結」の妻は、節句を控えて米を買う金がなく、近所で穀物をつく音を羨ましがったという。人々は、餅を作る米があるだけでも先祖に感謝した。最近、餅は作るより買う方が多い。でも、家族が集って話しながら馳走を準備するのは、それだけでも大きな意味がある。
▼ 穀物をつく臼(방아)の歌、「搗米打令(방아타령)」の歌を聴く。随分せわしく軽快、農作業の場面を知りたい。
次に、秋夕の先祖に捧げる儀式における、感謝と祈りについて次のように紹介された。
・今年の農作は、大きな被害を受けず済みそう。天と地、曇と風、適切な気温と天気のおかげだ。人々は、これを先祖のおかげとして、節句の「秋夕」に、先祖に捧げる素朴で心が込もった儀式をする。今年の初収穫物を先祖に捧げ、感謝の心を表す。本格的な収穫までは時間がかかる。一時も安心できないのが農作業で、残りも台風など被害のないことを祈る。
▼ ソウル近辺の江華島の稲刈り歌、「江華稲刈り歌(강화 벼 베는 소리)」を聴く。素朴な農作業の歌がいい。
最後に、秋は海も収穫の時期でもあり、漁の作業に歌が歌われることについて次のように紹介された。
・秋の収穫は陸だけでない。海も海流が変わり、魚の量や種類も変わってくる。漁師にとっても忙しい時期だ。共に歌を楽しむのは幸せなことだ。舟歌は、作業ごと、段階ごとに色々な種類の歌がある。海で使う綱をないながら歌うもの。櫓を漕いで海に出て行き、網を張る歌。適当な量の魚がかかると、今度は網を引く。ここにも歌がある。歌を歌うのは呼吸を合わせること。すなわち、同じ舟に乗って生死を共にすることだ。そして舟に魚がいっぱいになると、家に戻るとき歌を歌う。
▼ 大漁に楽器を騒がしく大きな音で演奏し歌う、北方の西道地域の「舟歌打令(술비타령)」」を聴く。洗練されている。