KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(1/20)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、北方に伝わる歌に関連した3曲を紹介した。
最初に、平安道の妙香山(묘향산)の地勢と西山大師(서산대사)について次のように紹介された。
・妙香山(太白山ともいう)は、北の平安道に位置する。東に金剛山、西に九月山、そして南に智異山といわれ、妙香山も含めて4大名山と評する。最高峰は1,909m、周囲は128Kmある。山中の滝は1万に及ぶという。神話の熊と虎が人となり得て、熊女が「檀君」を懐妊した檀君洞窟があり、民族のシンボルともいえる、小さな寺が360ある。西山大師(休靜、1520年3月26日~1604年1月23日)が、秀吉の朝鮮出兵に対し僧兵を結成した場所でもある。
▼ 妙香山の風景を表現した歌「香山遊覧歌(향산유람가)」を聴く。経を唱えるようにリフレインする。
・この曲は、作者未詳の作品を歌にしたもので、妙香山の山脈を説明して旅立ち、その麓から頂上に至る過程をゆっくり歌う。歌詞中、檀君の洞窟や僧侶の西山大師の話と共に、国の平安を祈る部分がある。この歌で風景を想像できる。
次に、平安道の西道民謡の愁える心の歌「愁心歌(수심가)」について次のように紹介された。
・平安道を代表する歌に「愁心歌」がある。山川の草木は若返り、人の青春は歳老いていく、それを考えると悲痛で仕方ないという歌詞に、物寂しいリズムが加わり曲名になったという。黄海道と平安道の北地域の民謡を西道民謡という。
▼ 心配事のかたまり、一度聴くと長く記憶に残るという歌「愁心歌」を聴く。ビブラートの効いたモンゴル風の香りがする。
最後に、西道地域の歌の歴史性について次のように紹介された。
・西道地域の歌が悲しいのは、朝鮮の差別政策のためという説もある。朝鮮時代に、今の平安道と咸鏡道地域を差別することがあった。この地の人々が官職につくのを制限する差別だ。辺境の地を差別した。勉強しても官職につけるわけでなく、挑戦もできなかった。同民族として待遇をしない意に思える。
▼ 平壌の妓生が戦を案ずる詩にリズムを付した「詩唱、關山戎馬(관산융마)」を聴く。長く続く抑揚、声質は北風。
・内容は、いつになったら北の地域の戦いは終わるのだろうか、關山の戦争を心配する歌詞だ。この曲が、辺境地の平安道地域の人々に特別に感じられたようだ。