近隣の街に出て、通り道で強雨に会う。いきなりの土砂降り、大粒の雨滴が道面に叩きつけられた。一粒一粒、跳ね返って水の棘を作る。開店前の軒先を借りて遣り過ごそうとしたが、いっこうに衰える気配がない。ひとブロック先に喫茶店があるというに、そこまで駆け込むのに躊躇する。小一時間して、ようやく普通の雨に変わった。
雨が上がってしまえばいつもの空。さっきの豪雨が嘘のよう。そ知らぬ顔して空は晴れ渡った。
どんなに降っても、雨が永遠に続くわけではない。しばらく待てば必ず止む。しかし、日頃の時間間隔と大違い。恐ろしく待ち続けた気がした。