夕方になって急に冷え込んだ。いったん帰宅して、冬着に替えて「韓国語教室」に通う。
陽が沈んでも、空全体に明かりが留まり、教室への通り道、公園奥がのぞかれる。先週、広場にぽつんと立った照明灯の足元だけ浮かんでいたのに比べて、今夕はうっすら広場も木立も見えた。茶色のフィルターをかけたような景色だ。
そのとき、サクラと見まごう色合いをした一本の「ハナミズキ(花水木)」がいた。白い花が普通だが、目の前のハナミズキは、花弁周囲をピンク色に縁取られ、白色と薄め合って満開のサクラのようだった。
ハナミズキは、近所の川沿い公園に並んでいる。視線が花弁に向くが、木肌が妙にごつごつしている。多分、このことは余り知られてないだろう。サクラの後釜だと、素直に受け入れない目が、何かと不都合を探すようだ。意地の悪いこと。