<二十四節気>にもとづく「春分の日」と「秋分の日」それぞれ中心にして、<雑節>の「彼岸」(期間7日間)があり、その初日を「彼岸の入り」、終日を「彼岸明け」と呼ぶ。今日は、春の「彼岸の入り」で、仏事につながる時期でもある。
(本ブログ関連:”彼岸”)
そういえば、スーパーの入り口に、仏壇の供えものが陳列されていた。線香、ぼた餅の他に目に付いたのは「落雁」だ。幼いころ亡くなった祖父母の祭壇に、白い落雁が飾られていた。昔の葬式は、自宅の座敷で行なわれた。葬儀が終わった後、子どもたちに落雁が分けられたのだが、私ひとりむしゃむしゃ食っていた気がする。
茶道に経験がないので、茶席で供されるという落雁がどんなものか知らない。そんな高級菓子と違って、彼岸に使われる落雁もいろいろあって、上品なものから飾りを目的にした極彩色されたものまである。
落雁の食感を覚えている。少し固めだが、すぐに口の中で崩れ、独特なぱさつき、紛粒感がある。噛むほどに和菓子の甘さが広がる。むかし食べた落雁は、子どもの口に大き過ぎたようだ。今ならどうだろうか、食べてみたいような気がする。