KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(9/28)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、<神仙(신선)>、<仙女(선녀)>に関連する3曲を紹介した。
(本ブログ関連:”神仙”)
始めに、「神仙」の「神人」と「真人」、その体現者「崔致遠(최치원)」と「玉寶高(옥보고)」について次のように紹介された。
・東洋では、人に生まれながら不老不死の神通力がある「神仙」の存在を信じた。荘子は、神仙を、神と人の「神人」と、真(まこと)と人の「真人」に区分した。神人は、初めから神仙となる素質を持って生まれた人であり、真人は、修行を通じて神仙となった人だ。神仙は、水中にいても死ぬことなく、燃える火中でも熱さを感じない。統一新羅時代の学者「崔致遠」や、弦楽器コムンゴの名人「玉寶高」などが神仙になったと伝わる。神仙は、細かなことに干渉せず、自然の中で囲碁や楽器演奏など風流を楽しんだ。
▼ 朝鮮時代のソンビが楽しんだ伴奏曲を管楽器(タンソとセンファン)用にした「水龍吟(수룡음)」を聴く。青秋に相応しく響く。
次に、神仙の絵に登場する「仙童(선동)」、定型詩「時調(시조)」の「辞説頭学(사설지름)時調」にある「鶴に乗って、笛を吹いて(학타고 저불고)」について次のように紹介された。
・ソンビの作品に、神仙を描いた絵があり、楽器を演奏する姿も少なくない。ソンビの楽器といわれるコムンゴもあり、(横笛)ゾッテやセンファンを奏する神仙が多く見られる。また、神仙を世話する子どもの「仙童」がよく登場する。子供らしい顔に髪を両側に結び、桃を持つことが多い。定型詩「時調」に、「辞説頭学時調」があり、「鶴に乗って、笛を吹いて」は、そんな神仙の生活を表現した曲だ。神仙中、最高の女神「西王母」が開く宴に、誰が参加するか尋ねる歌詞に、神仙を世話する仙童が仙女の名を挙げる。そんな宴に行ってみたい、ソンビの思いがこもった歌のようだ。
▼ 辞説頭学時調の「鶴に乗って、笛を吹いて」を聴く。悠悠と空を浮かぶよう、何だか楽しいタイトルだ。
最後に、時調に登場する「仙女」、ソンビ「仙君(선군)」と仙女「淑英(숙영)」の愛を描いたパンソリ「淑英娘子伝(숙영낭자전)」について次のように紹介された。
・時調は、一定の文字数と並べ方をする定型詩だ。変形した形ができると、元の形式を「平時調(평시조)」と呼ぶ。先の辞説頭学時調から、辞説時調は、平時調より文字数が多いものを指し、頭学時調は、歌の前半を高く歌うという意だ。仙女は、昔話に神仙より頻繁に登場する。神仙は年寄りが多いが、仙女は若くて美しい女性として登場する。また、朝鮮時代、ソンビの「仙君」と、仙女「淑英」の愛を描いたパンソリ「淑英娘子伝」があった。この作品は、長い間歌われなかったが、朴松熙(박송희、1927年~)が復元(再創作)したという。「淑英娘子伝」は、男女の愛を描いた説話を基盤にしたもの。
▼ 「仙君と仙女が出会う場面(선군과 선녀 만나는 대목)」の歌を聴く。