KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(10/5)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、<豊作祈願>に関連する3曲を紹介した。
始めに、生活の中で多様な使われ方をした<鞴(ふいご)>、すなわち「風具(풍구)」について次の様に紹介された。
・「風具」という<鞴>がある。扇風機の羽のようなものと、その横や後ろにある取っ手を回して風を起こす。地域によって役割や名称・形も多様だ。鍛冶屋で鉄を熱したり溶かすために使ったり、かまどに空気を入れる役割をした。床暖房のオンドルで火を焚くときも、「風具」を使う。また、大きなものは穀物を収穫した後、殻だけの<しいな>や細かいほこりを飛ばすときによく使う。「風具」の風で穀物を少しずつ流すと、しっかりした穀類は庭(下側)に落ち、枯草や<しいな>は遠く飛ばされる。
▼ 風具を回しながら歌った西道地域(半島北部)民謡「風具打令(풍구타령)」を聴く。作業に合わせたように力強く明るい。
次に、宮廷の宴で豊作祈願に奏でた「慶豊年(경풍년)」について次のように紹介された。
・朝鮮時代、主業の農業に携わる者を、支配階級の両班の次位に付けた。次に物を作る人、商人の順だ。民の多くが農作に従い、一方、国政を担う王やその臣下は、常に豊作を祈った。雨が降り過ぎたり少なかったり、豊作や凶作、全ては天の志しとした。その責は、王の徳次第と考えられた。宮廷で宴を開くときも、豊作祈願の音楽を奏でた。それが、「慶豊年」という曲だ。豊作を祝う意で、もともと定型詩「時調(시조)を歌う歌曲を、楽器で伴奏するよう編曲したものだ。
▼ 主旋律の横笛テグムに、バイオリン、ビオラ、チェロ伴奏で「慶豊年」を聴く。豊作を感謝するよう心やすまる。今様に。
最後に、具滋夏(구자하)が作ったという、京畿地域の民謡、「豊作歌(풍년가)」について次のように紹介された。
・一年の間手間をかけた田が黄金色に輝くのを見ると、農夫も感動したことだろう。稲刈り、脱穀、乾燥という多様な過程がある。農夫はみなと一緒に豊作の歌を歌いながら一日を終えたことだろう。ソウル近郊の京畿地域民謡、「豊作歌」は、具滋夏という名の歌い手が作ったと言われる。分かりやすい歌詞、単純な拍子と軽快なリズムのせいで、老若男女誰もが歌える。最近は豊作で収量が増えると、値段の暴落を心配するため、豊作が必ずしも良いとばかりでもないが、凶作より豊作の方が良いのは、いうまでもない。
▼ 豊作を喜ぶ京畿地域民謡、「豊作歌」の歌を聴く。まるで喜びを共有するような楽しさが湧き立つ。
・「豊作の歌」は、豊作のイキイキとした雰囲気を表現する。初期のものは、現在とだいぶ違う感じという。歌詞から、人々が季節ごと楽しむ風習も垣間見られ、暮らしぶりを知ることができる。