将来予測ほどむつかしいものはない。けれど、人口動態予測はかなり精度が高い。特別な人口政策を打たないかぎり、予測された人口推移は変えられない。高齢化と少子化とが日本以上に進む韓国の動向は、ある意味参考になる。
子どもを産みやすく育てやすい環境を作るのは、現在の人間にしかできない、他人に任せることのできない課題だ。
(本ブログ関連:”少子化”、”高齢化”)
以前の記事だが、聯合ニュースの「韓国の高齢化進行速度 OECDで最速、日本2位」(9/9、関連:韓国版)は、各種指標を使って高齢化の状況を次のように伝えている。(年代を見やすく改行、抜粋を容赦)
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1970年以降、韓国の高齢化のスピードは経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で最も速いことが(9月)9日、産業研究院(KIET、산업연구원)の分析で分かった。
OECDの34加盟国の人口構造を比較、分析したところ、韓国は65歳以上の高齢者人口が総人口に占める割合である高齢化率が2013年基準で12.2%と、OECD加盟国で30番目だった。
1970年の高齢化率を1とすると、2013年(OECD平均: 1.6倍)に
・韓国: 4.0倍、OECDの中で増加幅が最も大きい。
・日本: 3.6倍で2番目で、
・フィンランド: 2.1倍、
・ポルトガル、イタリア: 2.0倍、
・チェコ、カナダ、スペイン: 1.9倍が続いた。
また、人口を年齢順に並べた時にちょうど真ん中の人の年齢を指す中位年齢をみると、
・韓国: 2010年に37.9歳で、1970年の19.0歳から18.9歳上昇した。これは高齢化率上位10カ国のうち最も大きい上げ幅だ。
・日本: 15.8歳上がり44.7歳。
韓国の幼少年人口(0~14歳)の割合は、昨年14.7%で、OECD平均(17.4%)を下回り26番目だった。
生産年齢人口(15~64歳)の割合は
・韓国: 73.1%と、OECD加盟国の中で最も高い。
・OECD平均: 66.6%
1950年代の朝鮮戦争と、1970年代のベトナム戦争の後に生まれた、ベビーブーム世代がこの生産年齢人口にあたっているためだ。
産業研究院は「韓国の出生率がOECD主要国のうち最も速いペースで低下する中、2012年から生産年齢人口が減り始めている上、最初のベビーブーム世代が引退時期を迎えた。これらは未来を不安にさせる要因となっている」と指摘した。
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また、KBSニュースの記事「出産率このままなら 2100年 国民の半分が老人」(7/28)にあるように、老人が占めること、つまり生産可能人口が急速減少すること*を、次のように紹介している。生産力と社会保障の問題でもある。(年代を見やすく改行、抜粋を容赦)
(*) 韓国保険社会研究院(KIHASA,한국보건사회연구원)のメディア記事番号「5878」に掲載。
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現在1.2人水準に過ぎない合計出産率を引き上げることができなければ、2100年頃には、65才以上の老人が国民全体の半分に達するという見通しが出ました。
(韓国)保健社会研究院が出した「超少子化と今後の人口動向」報告書を見ると、合計出産率が1.2人にずっと留まる場合、わが国の総人口は、2100年に2千222万人まで急減すると推定されました。
老人比率(65才以上)見通し
2010年: 11%程度
2050年: 39.4%
2100年: 48.2%
生産可能人口(15歳から64歳まで)の急速減少
2050年: 2421万人
2100年: 948万人
老人人口割合(「生産可能人口(15歳から64歳まで)」100人当り)の予想
2010年: 15.2人
2050年: 75.4人
2100年: 108.9人 ・・・・ ??
イ・サムシク(韓国)保健社会研究院専任研究委員は、「現在の出産率が維持されれば、労働力不足、内需市場萎縮、社会保障負担急増などが現れて、結局低成長やマイナス成長が避けられない」と警告しました。
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