深夜、NHKテレビのETV特集「発見!謎の金銅製馬具~古代日本と朝鮮半島の交流史~」(23:00~24:00)を見た。福岡県の古賀市船原古墳遺物埋納坑で発掘された、古墳時代後期(6世紀頃)の新羅の金銅製馬具(例:歩揺付き金具)などの話題から、当時の新羅・百済・倭(磐井/ヤマト)の外交戦略を検討紹介した。
出土した金銅製馬具装飾品(福岡県古賀市船原古墳)や倭系甲冑(韓国全羅南道の沿岸部)、および前方後円墳(韓国西南部)発掘などから、当時、各国が互いにどのような外交上の交流がおこなわれたかを討論し、推定した・・・研究者は真摯で冷静な態度で、現在の国際区分からではなく、当時の地政から見る必要があると語られた。
同番組は、今週末5月17日(土)午前0時00分~(16日金曜、深夜)にも再放送される。
ところで、考古学素人として感心したのは、発掘技術の進歩だ。
① 発掘時に対象が明確でない(土中で見えない・繊細な部品など)場合、出土品の周りの土も含めて取り出す。
② CTスキャナーで、取り出した全体を3Dグラフィック化し検討する。
③ 3D情報を元に、土の中から出土物を3Dプリンターで形にし、再構成する。
まさに、見えないものを見えるようにして、そこから形あるものだけを取り出すのだから驚きだ。
泥の中に埋もれていた、「金銅製馬具」の部品を形にして、馬が歩くたびに揺れる「歩揺付き金具」を見事に再現した。
一見地味な考古学研究で、3Dプリンターがすでに活躍していたとは・・・。
(資料)
西日本新聞「「出土例ない」華麗な意匠の飾り 福岡・船原古墳の金銅製馬具」(2013年11月24日」