KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(9/26)に、人物シリーズ47回目としてフュージョン国楽演奏集団スルギドゥン(슬기둥)を紹介した。
(ところで番組ホームページにあるリンク先音源は「人物シリーズ」#46のもののようだが・・・)
はじめに、スルギドゥン誕生の経緯について次のような紹介があった。
・1980年代 民主化運動盛んな中、大学では民衆運動の一環として、人々の記憶の端に追いやられていた国楽に注目が集まるようになった。
・1978年 初めて登場した<サムルノリ(사물놀이)>が瞬く間に人気を集め、国楽家の間で新しい音楽を作ろうという動きが活発化した。
・1985年 スルギドゥンが結成され、「コップンネヤ(꽃분네야)」、「サンジュモシムギ(상주모심기)」、「サントッケビ(산도깨비)」などふるさとの匂いを感じさせる国楽歌謡で注目を浴びた。以来、国楽の魅力を伝え続ける、まさにフュージョン国楽の歴史と言っても過言ではない。
▼スルギドゥン(カン・ホジュンの歌)による「コップンネヤ(꽃분네야)」を聴く。まさに民謡のゆるやかな素朴な響きそのものである・・・発声、演奏ともにメディアの流れに沿っているようで。
次のようにスルギドゥンのプロフィールが紹介された。
・1985年6月 ある放送局主催の青少年音楽会で、歌を担当した青年カン・ホジュンが歌った「コップンネヤ」が話題となり、これをきっかけに国楽室内楽団スルギドゥンが正式誕生する。
・結成当時のメンバー(8人)は、 KBS国楽管弦楽団員を中心に、テグムとソグムはイ・ジュノ、ピリと歌はカン・ホジュン、カヤグムはミン・イシク、ピリはムン・ジョンイル、カヤグムとヤングムはノ・ブヨン、ヘグムはチョン・スニョン、アジェンはオギョンヒ、そしてシンセサイザーをジョ・グァンジェが担当した。
(参考)ハンギョレニュース「国楽整形術師 "スルギドゥン" 25年の內功(内的進化?)を見て」(2010年2月17日、チョン・サンヨウン記者)
(スルギドゥンのプロフィール続き)
・伝統楽器にシンセサイザーが加わり、現代的な雰囲気を醸し出すと同時に表現の幅を広げた。当時の社会を反映した曲を多数発表し、国楽は昔の音楽ではなく、現代まで続く伝統文化と強調した。
▼スルギドゥン(カン・ホジュンの歌)による「君のために歌う歌(그대를 위해 부르는 노래)」を聴く。のんびりと漂うような旋律は、古い皮袋に入れたまだ新しい葡萄酒のようで・・・。
(スルギドゥンのプロフィール続き)
・スルギドゥンの曲で、「サントッケビ」や「ケグリソリ」は小学校教科書に載り話題となった。創作国楽が音楽のひとつのジャンルとして受け入れられたのでは・・・。この音楽団体が結成されて、すでに30年近く経ち、初期メンバーは中堅演奏者、指揮者や大学の教授などになりグループを去った。
・現在のメンバーには、KBS国楽管弦楽団の常任指揮者である初期メンバーのイ・ジュノが団長として残り、新しい若い後輩たちと活動を続けている。
▼スルギドゥン演奏による「新船歌(シンペンノリ신뱃놀이)」を聴く。東洋的叙情を西洋的編曲で覆うとこうなるのだろうか・・・。