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2019年4月22日月曜日

ユダヤの歴史を学ぶ-3

今日で3回目にあたる、市民講座「ユダヤの歴史を学ぶ」に通う道筋にだいぶ慣れてきた。狭い行動範囲で生活してきただけに、電車の乗り換え、慣れない街歩きも小冒険。おかげで足腰のいい運動にもなっているのは幸い。

(本ブログ関連:”ユダヤの歴史を学ぶ”)

今回のテーマは、立教大学准教授 長谷川修一氏の前回(4/15)の講演の続編で、「旧約聖書の世界(2) - ヘブライ人の世界像、歴史観、メシアニズム - 」について考古学的な成果を背景に、ヘブライ人の歴史を教えていただいた。

何より興味深かったのは、ヘブライ人の<民族起源譚>の再考、確認である。
・ヘブライ人は、西アジアの民族の生活環境、生活実態から見て、かつヘブライ人の自然観(自然との支配関係)から見ても、ヘブライ人がいう出自の<遊牧民>ではなく<農耕の民>だったのではないか。
・聖書に<ヘブライ人>があっても、<ユダヤ人>の記載はない。
・<出エジプト>の<史実性>について、果たして<奴隷>としてエジプトで扱われていたのか、一大民族的な脱出があったのか、考古学的証拠が皆無である。
・<ノアの洪水物語>には、ヘブライ聖書に見られる<直線的な時間観>に対して、<世界のリセット>という<円環的な時間観>の意味合いに近い。そのような歴史観は、古代メソポタミアの「ギルガメシュ叙事詩」に通じる。

まだまだトピックに富んだ話題があった。最後に、イスラエル北部の「テル・レヘシュ遺跡」の考古学的な発掘調査*について語られた。
(*)Rekhesh project 日本語サイト: http://rekhesh.com/jp/about-the-site

ところで、先週末にユダヤの祭事で重要な、<出エジプト>をベースにした「過越」があったばかり。はたして、上記の理解が果たしてユダヤ社会で受容されるのか気になるところだ。同じころにキリスト教の<復活祭>もあって、<過越>との関係(相似)も気になる。