一日が暖かく、冬服は深情けのようにうっとうしく感じられた。今年最高の気温だった。春は日ごと気温を増すとしても、今日、20℃の大きな区切りを超えた。(近在で、21.1℃)
青空にまぶしく真白いハクモクレンの花を見上げながら歩を進めると、小学校の裏手になる。雨降りだった昨日のブログに記したように、沈丁花の香りを確かめに行く。垣根の陰りに咲く、花弁の縁を紅色に滲ませた白い沈丁花の花は、温い空気に甘い香りを載せて、辺りに漂わせていた。春到来を実感する。
夕方に気付くのは、陽が長くなったことだ。以前はあっという間に隠れた太陽が、西の空、家並みの続く地平の上で、日没を躊躇するように輝いている。このまま暖かくなって欲しい。
とはいえ、春は、ようやく手に入れた不老の仙人となるべき秘薬を、なんの気迷いか飲み干すことを忘れさせる隙を作るという。変化に浮かれてばかりおられぬのかもしれない。