きょうは、二十四節気の「立冬(りっとう)」、旧暦では10月14日となり、「冬」(旧暦の10月~12月)が始まる。
(本ブログ関連:”立冬”)
一方、気象庁の新暦をもとにした定義「季節を表す用語」*では、「冬」は 12月~2月となり、きょうの時点でまだ「秋」の終わりとなり、旧暦と新暦による季節感の微妙なズレをいつも気になる。
(*) https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/toki.html
この時期、近ごろ見られなくなったが「焚き火」をする光景があった。自宅の庭や公園、あるいは校庭に積もった落ち葉を掃き集めて火をくべる。周りから手をかざして暖をとる、子どもたちにとって楽しいひと時だ。さらに焼き芋がある。むかしは、サツマイモをそのまま放り込んだけれど、その後はアルミホイルに包んだりした。多分、衛生(あるいは焼過ぎ)を考えてのことかもしれない。
焼きたての焼き芋を、みなと一緒にほくほく食うのは楽しかった。だが、火の気の問題だろうか、いつごろからか焚き火の光景が見られなくなった。
わたしたち世代にとっては、チロチロと揺れる焚き火の炎を見ながら(あるいは思い出しながら)口ずさんだ童謡「たきび」(作詞巽聖歌、作曲渡辺茂)が忘れられない。「唱歌・童謡ものがたり」(読売新聞文化部、岩波現代文庫)によれば、「たきび」の歌をひとびとが最初に耳にしたのは、1941年(昭和16年)12月9日で、真珠湾攻撃の翌日、NHKラジオの幼児向け歌番組で歌われたそうだが、三日間放送予定の残り二日は早々に打ち切られたという。その後、1949年にスタートした「うたのおばさん」で復活し、広く普及したようだ。
上記「たきび」の紹介記事中、筆者ネームの「永」(永井一顕)氏が、NHKのアナウンサー中西龍氏**の名調子をなぞっていたが、私もあわせて思い出したいナレーターに城達也氏***がいる。忘れられない独特の語り口だった。
(**)「歌に思い出が寄り添い 思い出に歌は語りかけ そのようにして歳月は静かに流れてゆきます」
(***)「遠い地平線が消えて 深々とした夜の闇に心を休めるとき 遥か雲海の上を音もなく流れ去る気流は 限りない宇宙の営みを告げています」