天気予報の通り、午前は晴れ、午後に曇って、そして夕方から夜にかけて驟雨。夜半にいたって辺りは静まりかえる。一日せわしい空模様だった。
深夜の静けさに、唱歌「埴生の宿」の歌詞を思い出す。雨後のため、窓から見る庭には月明かりに冴え渡る青い明るさはないが、気持ちだけは古い詞の思いにひたりたい。
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清らなりや 秋の夜半(よは) 月はあるじ 虫は友
おゝ 我が窓よ たのしとも たのもしや
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この曲は、中学時代の思い出の合唱曲でとても懐かしい。いってみれば、合唱入門曲として最適だったのだろう。声変わりした男子のパートが、女子の声部とうまく調和して、混声合唱の楽しさを味合わせてくれた。そう、歌垣ではないが、男女で歌うことになんとなく感じていたのだろう。
今夜の秋の夜は音もない。せめて虫の音でも聞こえてくればよいものを。静すぎるのもやるせない気がする。