一ヶ月前の今日、(燃料枯渇により)任務を終えたアメリカの土星探査機「カッシーニ」が、(制御のもと)土星大気圏に突入して燃えつきた。誰にも見られることのない最後だった。
(参考:”「techcrunch」(9/16、日本語版)”)
宇宙を浮かぶ探査機にいずれ最後がある。宇宙の彼方へ飛び去るか、あるいは地球に戻り、「はやぶさ」のように命の最後を大気に輝かせるか。役目を終えた探査機の終焉に、切なさを感じるものだ。まして、地球を周回する人工衛星や実験棟が制御不能の場合、地上へ落下する可能性は大きい。これまで、本ブログでも何度か触れた。
(本ブログ関連:”UARS、ROSAT、フォボス・グルント”)
毎日新聞の記事「中国・宇宙実験室『天宮1号』制御不能、地球落下へ」(10/14)は、中国の宇宙実験室が制御不能のまま地上に落下すると次のように報じている。(抜粋)
⇒ 記事の最後に「宇宙船の落下」の項があり、主な落下例を記している。
天宮1号の落下範囲は、北緯43度から南緯43度にかけてといわれている。(大事故が起るのではないか不安だ)
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11~2月か、予測困難
地球の周りを回る中国の無人宇宙実験室「天宮1号」が制御不能となり、数カ月以内に地球に落下するとみられることが分かった。来年1~2月の可能性が高いとの分析もある。英紙ガーディアンなど海外メディアが13日に報じた。
天宮1号は中国初の有人宇宙ステーションの建設を目指し、宇宙船とドッキング実験をするために2011年9月に打ち上げられた。全長10.4メートル、重さ約8.5トン。2012年6月に有人宇宙船「神舟9号」とドッキングし、中国人飛行士が初めて乗り移った。
宇宙船の落下
2001年にロシアの宇宙ステーション「ミール」(約135トン)が制御されながら南太平洋に落下、廃棄された。制御不能だったのは、1979年の米国のステーション「スカイラブ」(約90トン)で、燃え残った破片がオーストラリア西部に落ちた。また1991年には旧ソ連の「サリュート7号」(約20トン*)が落ち、アルゼンチンに破片が到達。いずれもけが人の報告はなかったという。人工衛星の例もあり、2011年には落下するドイツの観測衛星(ROSAT、約2.4トン*)が日本上空を通過すると予測され、国内でも話題になった。被害はなかった。(共同)
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(注)*印付記の( )内容は追記