昔のレコード盤も、その後登場したカセットテープもそうだったが、A面・B面という両サイドがあった。レコード盤の場合、プレスするのが両面だったこと、カセットテープの場合、巻き戻しの方向にも録音したことから生まれた。(CDは片面だけで息抜きもない)
EPレコード盤のA面・B面は、位置付けがはっきりしていて、A面には流行らせたいタイトル曲が入っていた。LPレコード盤になると、それまでの作品の総集編の意味合いもあり、聴く側に位置づけを任されたようだ。カセットテープは、LPレコード盤と同様にテープに収録させた。少し安価にして、たやすく聴きたい若者向けだったといえる。ウォークマンで聴くためでもある。
B面で、おやっと思わせる作品を見つけたとき、珠玉に巡りあったような幸運を感じるものだ。イ・ソンヒの9集所収の 「悲しい愛(슬픈 사랑)」(1994年、作詞・作曲ヤン・ムンスン)を、YoutubeのカセットテープB面映像で聴くことができる。レコード店か、それとも屋台に並んだのだろうか想像したくなる。
ジョージ・ウィンストン風の出だしから(編曲の妙味か)一転して、イ・ソンヒは柔らかく歌い聞かせる。彼女らしい発声を響かせながらも、いろいろな味わいする洒落た雰囲気がいい。
(本ブログ関連:”悲しい愛 ①、②”)
ひとたび去った 愛の束の間は 二度と 戻らなくて
街に 雨降るように、私の心に 涙降る
*あちらこちら さまよい ながら 歩いても
見えない あなたの姿、あらゆることが 夢だったのか
ひとり野辺に 咲く花のように、私いつも ここにいるけれど
なぜ 暗い思い出の中に 遠ざかって行くのですか
わたしの悲しい 愛よ
(*以下繰り返し)
(Youtubeに登録の이원호に感謝)