さすがに寒い一日だった。陽射しを感じて外に出たものの、寒風は圧倒的で、防寒着の襟をしっかりと閉めたのはいうまでもない。日なたも何の役も立たぬほどの寒さだった。
南の空は明けわたり、太陽光がまぶしく降り注いだ。一方、北の空は鈍色の雲が空を覆い、寒風を溜め込んでいた。昨日と同じ空模様だが、今日はいっそう厳しい。
玄関先で、一瞬、斜めに漂う白いものに気付いた。まるで、たきび(焚き火)に舞う小さなススのようだが、ひとつだけ吹かれていたのだ。目を凝らしてしばし歩くと、またして気付く。初雪だなと、それなり自信を持った。
近所の栗林で、栗の木が次々切り倒されているのを見た。栗の実が熟した時、枯れ枝を数多く目にしていた。害虫か病気のせいだったのだろうか。枝を切り落とされ幹だけ残した姿を見ると切ない気がした。