むかし頭が冴えていた頃は、勉強の始めが何となくボーっとしていても、あら不思議すぐに頭がスキッとしてきてエンジン全開とになり、苦もなくスイスイ勉学が進んだものだ。
それがどうしたことか、歳をとるとエンジンのかかりが鈍くなる。そんなとき、近所の図書館の学習室に寄って、若い人たちと肩を並べて調べ物でもすると良い具合にはかどる。頭がちょいと若返った気がして、ときには図書館の学習室も良いものだ。
ところで、市民サークルの家族連れが集まっているようで、賑やかな声がする。幼い子どもの声も混じって楽しい雰囲気がしていた・・・そんなとき、幼児の泣き声が廊下から伝わってきた。
どうしたものかと、廊下をたどっていくとどうやら小さな男の子が締め出されたらしく、ドアの前で泣いていたのだ。どうしたのと頭をなでながら、ドアを開けると母親がいて(つまりドア越しにわが子に注意を向けていたのでしょう)、「部屋の中にいると泣いて、外がいいというもので・・・」という。
坊やは、部屋の中はイヤ・・・でも廊下はもっとイヤだったのだろう。それで、肩を押しながら部屋の中に入ってもらったというわけ。その後、泣き声は聞こえてこなかった・・・坊やもおじさんの出現にちょいと驚いて、お母さんのそばにいる安心の方を選んだのだろう。
図書館は楽しい場所でもあるね。