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2024年7月9日火曜日

ゆかた

社会人になって若いころ、他社と共同して新規客先へ技術説明に出向いたことがあった。同じ世代の相棒は、有能かつ気さくで会話がはずんだ。ただ、訪問先への途上、街ですれ違う若い女性と出会うたび目線が動くのに気づいた。

昼飯を共にしながら、冗談半分に「街できれいな女性によく目が向きますね」といったところ、彼は「女性に対する礼儀ですよ」と応えた。まるで、イタリア男が言いそうだったので思わず吹いてしまった。

わたしも、路上での若い美人女性に気付かないわけではない。ただ、目線を向ければ気付かれて、冷たい反応されるのではないかと思い、素知らぬ顔をして通り過ぎたものだ。彼のような優しさと、大胆さを持ち合わせてはいなかった。もっといえば、気色悪がられてはたまらないという思いが強かった・・・多分、普通ならそんなところだろう。

ところで、「日々の歳時記」(広瀬一朗、東京新聞出版局、昭和55年7月10日)のきょうの日付(7/9)は、「羅」について次のように記している。(抜粋)
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  七月九日
・一字で <うすもの> と読む。絽(ろ)、紗(しゃ)、明石(あかし)、透綾(すきや)、上布など上等な薄絹で織った単衣(ひとえ)の外出着。
・いうなればシースルーの和服だが、・・・
・たいてい女性ものだが、男性では僧が着る。同じく盛夏の単衣で、麻やカラムシ(イラクサ科の多年草)で織ったものを「帷子(かたびら)」*という。「ゆかた」は「湯かたびら」の略。
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(*)小学館 Domani
「【帷子(かたびら)】って何のこと? 実は4つもある意味や関連語をチェックしよう」
https://domani.shogakukan.co.jp/657147#google_vignette

そういえば、以前でもそうだったが、若い女の子が夏の夕暮れに、浴衣姿で胸をときめかせながら出かけているのを見て、かわいらしくて健康的に見えたものだ。この「ハレ」の空気に包まれて、女性の側も不思議なことに視線を自然に受け入れているように感じた。
若い女性が、正装の和服姿の場合はことさらで、路上ですれ違っても、昔の相棒のようにしっかり見入ってしまう。これは仕方のないことだ。