マスコミ各紙が、4年に一度、数学界の若手の才能を顕彰するフィールズ賞で、初めて女性数学者のスタンフォード大学教授マリアム・ミルザハニ(イラン出身)が受賞したと報じている。数学の世界、女性初ということで、そうだったのと素人は感心するけれど。
ノーベル賞受賞の場合、マスコミの記者が競って解説記事を載せるが、フィールズ賞の場合、そんなチャレンジ記事が見当たらない。書く方の記者だって大変だろうけれど、読む方のわれら読者に分かるはずもない、多分。
だから、この際、フィールズ賞受賞のニュースは、「女性初!」が中心に報じられる。
学生にも読める、ワトソン、クリックのノーベル賞受賞のベースになった、DNA二重螺旋 (DNA double helix) 構造の論文(「核酸の分子構造」、1953、Nature)は、1ページちょっとのシンプルなもので、しかも直感的に、二重螺旋構造のイメージさえ浮かべばよいのだから。思弁的な理解は必要ない。
二重螺旋構造のヒントになった、DNAX線解析の写真は、女性科学者の手によるものだったけれど、60年ほど昔の話。
そう、今回のフィールズ賞について、「で、それで何が凄いの?」なんて、誰も踏み込んで聞こうとしない。ああ、数学ってドラマがありそうで、なさそうで。(ガロアは別にして)