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2025年8月13日水曜日

新鉱物「アマテラス石」

今朝のNHKテレビのニュースで、新種鉱物「アマテラス石(Amaterasuite)」の発見について紹介していた。

(本ブログ関連:”新鉱物”)

新鉱物発見は、ある意味で生物学の系統分類学に似て、とても地味な研究であるが、いまだアマチュア*の協力が可能な分野の一つだ。アマチュアの鉱物採集をきっかけに、高度な分析(装置)が可能なアカデミーとのネットワークにより論文化する。たとえば、光学(電子)顕微鏡だけでなく、(アマチュア個人で所有がむつかしい)元素分析のための「X線回折装置」など種々ある。
(*)鉱物分野のアマチュアの神に、櫻井欽一(1912年 ~ 1993年)氏がいらっしゃる。

今回、東洋で尊ばれ、「国石」でもある「翡翠(ヒスイ)」の中に共存するという、めでたい発見から、日本神話で、神々の世界の高天原(たかまがはら)を統べる主宰神「天照大神(あまてらすおおみかみ)」にちなんで名づけられている。新元素「ニホニウム」も思い返す。

(本ブログ関連:”翡翠”、”ニホニウム”)


NHK NEWS WEB
「ヒスイの中から新種鉱物「アマテラス石」と名付ける 東大など」(2025年8月13日 5時15分)
- https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250813/k10014892741000.html
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・岡山県(新見市の山中)で採取されたヒスイの中から新種の鉱物(新鉱物)が見つかり、「アマテラス石」と名付けたと、東京大学などの研究チームが発表しました。
・東京大学や山口大学などの研究チームは、鉱物を詳しく分析した結果、ほかの鉱物には見られない独自の元素比率(Sr4Ti6Si4O23(OH)Cl)や、特徴的な結晶構造を確認したということで、「アマテラス石」と名付けて、去年11月、国際鉱物学連合から新種の鉱物として承認を受けました。
・命名の経緯について研究チームは、古くから日本人の生活に関わり国の石を意味する「国石」も選ばれている <ヒスイ> の中から見つかったことなどから、天照大神にちなんで名付けたとしています。
・「アマテラス石」はプレートの境界付近での地質作用によってヒスイとともに生成したと考えられ、ヒスイの生成過程を詳しく理解する上でも貴重な資料になるということです
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京都大学 最新の研究成果を知る
「新鉱物・アマテラス石の発見  ―日本の国石「ヒスイ」から見つかった新種の鉱物― 」(2025年08月07日)
- https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2025-08-07
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● 画像
アマテラス石(黒緑色部)を含む鉱物集合体(褐色部はルチル、あんず色部はタウソン石)。画像幅は約2mm。
    - https://www.kyoto-u.ac.jp/sites/default/files/inline-images/2508_main_shimobayashi-1e6518883caaf8a8291ed4c6b7f59b55.jpg


● 資料:詳しい研究内容について
「新鉱物・アマテラス石の発見―日本の国石「ヒスイ」から見つかった新種の鉱物」pdf
    ー https://www.kyoto-u.ac.jp/sites/default/files/2025-08/web_2508_Shimobayashi-63858e13a933b44653b8b42549510e4e.pdf
    ー 研究チーム:発表者・研究者等情報
    ・東京大学物性研究所:浜根 大輔 技術専門職員
    ・山口大学大学院創成科学研究科:永嶌 真理子 若手先進教授
    ・高輝度科学研究センター:森 祐紀 研究員
    ・京都大学理学研究科:下林 典正 教授
    ・株式会社リガク:アプリケーションラボ ライフサイエンスグループ  松本 崇 グループマネージャー
    アマチュア鉱物研究家: 大西 政之、田邊 満雄
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