先日(3/12)、地方産物店で(商品名)「麦こうせん」を見つけた。千葉県産とのこと、1袋100gしかないので2袋購入した。他にも他県のポンカンも買ったわけだが、レジで「これ(麦こうせん)って、どうやって食べるのですか」と聞かれたので、「砂糖を入れて、お湯をそそぐだけなんですよ」と応えた。いたってシンプルな作り方だ。
レジの若い女性が「そういえば、お婆さんが食べていた」というので、私は「子どものころ食べたもんですよ」と付け加えた。麦こうせんは、今となっては知っているようで知られぬ食べ物になったのかもしれない。店を出ながら、お湯を注ぐとチョコレート色に変わり、麦の香ばしい香りがしてくると心の中で補足した。
子どものころ、「麦こうせん(麦香煎)」と言ったことはなく、「はったい粉(糗粉)」*と呼んでいた。他にオーソドックスな「麦焦がし(むぎこがし)」の名称もあるが、いずれもしっくりこないけど・・・口にすれば同じ懐かしさに包まれる。
(*)糗粉の「糗」: 焼かれた小麦、米など(Wilitionary)
舌触りに「落雁(らくがん)」を思い出すが、対してこちらは超日常のおやつである。また、「日本はったい粉協会」**のサイトに、徳川家康の好物だったとの解説もある。
(**) https://hattaiko.com/rekishi/
むかしは、はったい粉がいつでも食べられた。お湯加減が微妙で、パサパサになったり、ドロドロになったりする。親に作ってもらうと丁度よい、だから懐かしいのだ。それを思い出して求めたわけだが、今回はパサパサして粉っぽくなった。でも、この味に浸って一口ごとに、ああこれこれと心地よい。