KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(12/7)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、梅、蘭、菊、竹で君子を表現した「四君子(사군자)」に関連した3曲を紹介した。
(本ブログ関連:”四君子”)
始めに、「四君子」の竹に例えて就官を拒絶した高麗末から朝鮮時代初の「元天錫(원천석)」について次のように紹介された。
・竹は、梅、菊、蘭と共に「四君子」と呼ばれる。木々は環境によって曲がり育つが、竹は真っ直ぐに育ち、冬でも青い。そのため、節義を意味する植物といわれ、かかる話もある。高麗末期から朝鮮時代初期の学者・隠士の元天錫が、高麗との義を守るため、朝鮮の官職を断った。彼は、このことを竹に例えて、定型詩「時調(시조)」に歌った。朝鮮からの就官の要請を、雪に当たって曲がった竹に例えた。朝鮮滅亡後百年経つが、今も歌われる。
・昔の記録に、竹に関する話がある。竹を見ると卑しい心が無くなり、竹を見習うと学者ソンビの行動が整う。また、その凛とした様は雨露が満たすことができず、その節操は風雪も変えられぬという内容だ。
▼ 女唱チルム時調(여창지름시조)、「雪に当たって曲がった竹を(눈 맞아 휘어진 대를)」を聴く。雪景色におおらかに歌う。
次に、四君子の「蘭」の美しさと気品、時調作家の「李秉岐(이병기)」(1891年~1968年)について次のように紹介された。
・四君子のひとつの蘭は、野生であまり見られず、ほとんど植木鉢で目にする。一年中青くこじんまりしているが、一度花を咲かせると、なんと美しいことか。一人で見るにはもったいないほど。花の美しさもあるが、ほのかな香りが漂い気品ある。時調作家の李秉岐は、蘭がとても好きだった。何冊かの古書と酒、そして蘭があれば、うらやましいものがないとも言った。彼は蘭の美しさを君子に例えた、心まで清くなるような時調を残した。
▼ 蘭(作曲家の娘の名でもある)の演奏曲、「蘭のための歌(란을 위한 노래)」を聴く。なんと素朴で愛らしい今様の旋律。
最後に、四君子の「梅」はソンビに詩作の心を誘ったと次のように紹介された。
・四君子の梅は、まだ雪が残る早春にも花を咲かせる。香りも蘭に劣らず品がある。ソンビは、花を見ると自ずと詩が浮かんだ。そのようにして詩作することが、当時は最高の風流とされた。
▼ 別れをテーマにしたが明るい歌、「梅打令(매화타령)」を聴く。今様にジャズ風に洒落たのだろう。