KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(4/27)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、「船(배)」に関連した3曲を紹介した。
(本ブログ関連:”韓国伝統音楽(国楽)の「船」”、”イ・ソンヒの「小船」”)
始めに、朝鮮後期の風俗画家、申潤福(신윤복, 1758年~没年不明)に、船遊びの絵「舟遊清江(주유청강)」がある。
・風俗画家、申潤福の作品「舟遊清江」は、清い川に舟を浮かべて遊ぶ意だ。青山を背に、川に日よけした舟が浮かび、舟上にソンビ(선비)と妓女(기녀)がいる。日本の笙に似た楽器「センファン(笙簧、생황)」を吹く妓女と、横笛「テグム(大笒:대금)」を吹く男子、川水に手を浸す妓女、その姿を見つめソンビ。舟遊びは、景色を楽しむだけでなく、音楽を演奏したり、詩や絵を描いて風流を楽しんだ。春から秋にかけての最高の遊びとされた。海外の使臣が来ると、このようにしてもてなした。裕福で権力ある人の、力を誇示する手段でもあった。
▼ 京畿地方の民謡「船乗りの歌(뱃노래)」を聴く。オディヤディオジャ~波頭を越えて行く、潮風を受けながら。
・この「船乗りの歌」は、普通、漁をしながら歌うが、民謡「船乗りの歌」は舟遊びを歌う。
次に、朝鮮王朝後期の画家、金弘道(김홍도、1745年~没年不明)に、「平壌監司饗宴図(평양감사향연도)」がある。
・平安道地域は風流が発達した。中国と朝鮮を往来する交通路であり、銀山が多かったため、漢陽(現ソウル)より豊かだった。画家金弘道が、平安道の観察使(今の道知事)の赴任を歓迎する宴を描いた「平壌監司饗宴図」に、夜の舟遊びを描いた「月夜船遊図(월야선유도)」がある。申潤福の「舟遊清江」が素朴なソンビの舟遊びに対し、金弘道の「月夜船遊」は華やかな様子を描いている。大同江上に飾った数十隻の舟が浮かび、川辺の松明が夜景を照らす。それを見に人々が集まる。招かれた新任の観察使も、それを見る民も、生涯忘られぬ場面だったろう。
▼ 京畿地方の雑歌「舟遊びの歌(선유가)」を聴く。行こう、行こう、遊びに行こう・・・パンソリのように言葉が並ぶ。
最後に、舟遊びとは違って生活のため船を使う人々と、「紫船舟(시선배)」の船について次のように紹介された。
・昔、舟遊びはソンビにとっても特別で、風流を楽しむけれど、稀にできることだった。舟を借りて飾り、食べ物を準備し、妓女まで乗せると相当な費用だった。一方、船乗りが日常である川や海辺の民には、仕事がまさに遊びだ。艪を漕ぎ海に出て、投網して魚を捕るときも、そこに歌があった。彼らが眺める川や海は、ソンビが鑑賞するものとは違った。また、運搬する「紫船舟」という舟がある。江華島と漢陽を往来して物品を運んだ。
▼ 「長い歳月を海と共にした、船乗りの暮らしが溶け込ん」だ「施船柏の歌(시선뱃노래)」を聴く。月夜の船出か。